緑内障とは、眼の硬さが負担となって、視神経が傷つき、視野が狭くなったり、視力が低下したりする病気です。緑内障は進行性であり、一度失われた視神経や視力は回復しません。そのため、早期に発見して治療することが重要です。
眼の中には房水という液体があり、眼は水風船のような構造をしています。房水は毎日新しく作られては排出されるサイクルを繰り返しています。房水は虹彩の後ろから作られて前房に流れ込み、隅角という部分から排出されます。隅角に線維柱帯というフィルターがあり、房水の排出による漏れを防いでいます。房水の作られる量と排出される量がバランスしており、眼圧も一定に保たれます。
緑内障治療には、点眼薬、レーザー治療、手術の3つの方法があります。治療の目的は眼圧を下げることで、視神経の障害を抑えることができます。
緑内障の基本的な治療法で、眼圧を下げるために使用されます。点眼薬は、眼圧を下げる作用があるものや、房水の産生を抑える作用があるものなどがあります。
選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)*保険適応
SLTでは、特殊なレーザー光を線維柱帯に当て、線維柱帯の穴が開きやすくすることにより房水の排出が改善させるため、眼圧が下がることが期待されます。緑内障治療点眼の負担を軽減できる可能性があります。
以下のような場合に有用です。
マイクロフックによる流出路再建術 *保険適応
マイクロフック線維柱帯切開術は、緑内障治療の一つで、低侵襲緑内障手術の一部です。
*白内障手術との併用が可能です。
手術方法: マイクロフックと呼ばれる専用の手術器具を使用して、眼内の線維柱帯を広範囲に切開します。約10分程度で完了します。
手術前後の注意点: 手術後は眼内に多少の出血が生じるため、一時的にかすんで見づらくなることが多いですが、次第に改善していきます。