眼瞼下垂とは?
「眼瞼下垂」とは、まぶたが垂れ下がり、開きにくくなった状態です。
それにより、視野が狭くなる、目が疲れやすいといった症状に加え、慢性的な頭痛や肩こりの原因になる場合があります。
大きくは「先天的眼瞼下垂」と「後天的眼瞼下垂」に大別され、後天的な原因としては、加齢やコンタクトレンズの装用、神経疾患など後天的なものがあり様々です。
美容目的の二重術などと異なり、眼瞼下垂(症)は見づらいなどの目の不調や肩こり・頭痛などの体の不調につながる病気です。
そのため手術は健康保険が適用になります。また、当院は日帰り手術になります。
健 常
眼瞼下垂
①目がぱっちり開かない→視野が狭くなる
②眉毛と目の間が広くなる
③おでこに深いシワがよる
治療方法
眼瞼下垂の治療は病態によって異なりますが基本的には手術になります。
手術時間は片目で約30分、両目同時で約1時間程になります。
・腱膜性眼瞼下垂
眼瞼下垂の多くは加齢の変化によって起こるものです。
また、ハードコンタクトレンズを長年装用している方にも起こります。
まぶたを挙げる筋肉(上眼瞼挙筋)の腱の部分が剥がれたり、薄くなったりすることにより、まぶたを挙上させる力が伝わりにくくなっていきます。
手術では、挙筋の腱膜をまぶたの付着部から一度外して前転し、それを再度縫い縮めるように固定します。
これを挙筋短縮術といいます。
・先天性眼瞼下垂
筋肉自体の力が弱くなっている場合やまぶたを挙げる神経の麻痺がある場合では、眼瞼挙筋腱膜を縫い縮めても無効なため、おでこの力でまぶたを挙げやすくする方法を選択します。
眉の部分と瞼の間にトンネルを作り、そこに丈夫な糸やゴアテックスという人工素材を通して吊り上げます。
これを前頭筋吊り上げ術といいます。
・眼瞼皮膚弛緩症
一見、眼瞼下垂に見えるけれども、まぶたを挙げる筋肉や腱に異常がないので、偽眼瞼下垂(ニセの眼瞼下垂)とも言われます。
治療法は、二通りの方法があります。
まぶたの縁の皮膚をとる方法は、比較的まぶたの皮膚が薄い方が適応となります。
二重のラインで切開するので、もともと一重の方は新しく二重になります。
眉の下の皮膚を取る方法は、まぶたが厚ぼったい方に向いています。
眉の下のラインに沿って切開するので、傷のラインは眉毛や化粧のラインによって目立たなくなります。
どの部位を切除するのかの違いはありますが、皮膚切除手術を行い治療します。
・眼瞼内反症
眼瞼内反症とは、まぶた全体が内側を向いてしまう状態で、まつげも内側を向く病態です。逆まつげにより、チクチクして涙が多くなります。
主に加齢により、下まぶたを支えている組織やまぶたを閉じる筋肉がゆるんだり、まぶたの皮膚がたるんだりすることが原因とされています。
手術によって治療を行います。
手術当日はお付き添いの方と一緒に来院ください。
手術後眼帯をしますので、運転は控えてください。
当日は洗顔・洗髪・入浴はできません。