近視進行抑制治療

近視とは?

遠くが見づらい、眼鏡などレンズを装用しないと見えない

近視と眼の長さ(眼軸長)には関係があり、眼の長さが大きくなることで進行する近視があります(軸性近視)。眼の長さが大きくなり、ピント位置がずれることにより、近視が進行していきます。

また、近視の多くは学童期に発症し、小学生4-5年性にかけて進行が著しく、24-25才くらいまで進行することが多いです。

眼軸長を抑えることが近視抑制には重要となります。当院では光干渉式眼軸長測定装置を使用して眼軸長を測定し、近視進行の評価を行います。(非接触タイプで眼の負担はほとんどありません)


近視進行抑制治療

当院では以下の治療を行なっています(保険適応外:自費診療)

  • 点眼:低濃度アトロピン点眼液
  • ナイトレンズ:オルソケラトロジー
  • 焦点深度拡張型レンズ:EDOFレンズ
  • 専用機器を用いた治療:レッドライト治療(近日導入予定)

これらの選択肢から2つの治療を併用することで近視抑制効果を高まることが分かっています。(併用不可の組み合わせもある)

また近年、赤色光を目に照射することで近視の進行を抑えることのできるレッドライト治療という治療法も出てきました。他の近視治療よりも効果が高いとする研究報告もあります。

 

※いずれも近視を改善させる治療ではありません。

※眼軸長の伸展スピードを抑制することにより、近視の進行を抑制する効果が期待できます。



低濃度アトロピン点眼の特徴

  • 日中の光の眩しさに影響を及ぼさずサングラスはほぼ不要
  • 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えない。 近見視力の低下にあまり影響を与えず、近用の眼鏡も不要
  • 毎日就寝前に1滴点眼するだけの非常に簡単な治療法。
  • 各容器(1 本 5ml)は両眼用に1 ヶ月間の使い切り。
  • 本製品はGMP (医薬品製造筐理および品質菅理基準)準拠の工場で製造。

近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで何もしない方と比べ近視の進行を軽減できたという報告を基準にしています。


オルソケラトロジーの特徴

  • 屈折矯正効果がある(眼鏡、コンタクトレンズの代わりとなる)
  • 就寝時にレンズ装用することにより近視矯正の効果があるため、活動する日中に眼鏡、コンタクトレンズの装用は必要ない。
  • 近視が進行しやすい小学校低学年からの使用での研究結果がある
  • 自宅での使用となるため、保護者による管理ができる。

EDOFレンズの特徴

  • ソフトコンタクトで、眼鏡の代わりとなる。
  • 1日使い捨てタイプの為、レンズケアが不要。
  • 近視度数の適応幅が広いため、オルソケラトロジーレンズが適応外でも適応になる可能性がある。
  • 度数が変わっても追加料金なしですぐに度数変更が可能。

※オルソレンズに比べ、清潔に扱わないとドライアイや、結膜炎などの目のトラブルの原因になってしまう可能性が高いため、基本的に当院では小学校高学年以上でオルソレンズが適応外のお子さんにお勧めしています。


レッドライト治療の特徴

  • 専用機器をお貸し、1日2回(朝と夜)、各3分間赤い光を見つめます(週5回)
  • 研究では近視抑制治療の中で、もっとも抑制効果が高いとされています
  • 近視抑制治療の中でもっとも高額な治療法になります。


治療効果がわかる仕組み作り

近視の原因の大半は成長に伴って眼の長さが伸びることが原因です。


当院では、白内障手術でも使われる精度の高い眼軸長測定器、OA-2000を使い経過を見ていきます。

また測定結果は、眼軸長解析ソフトウェアAxial Managerを使用し解析を行っています。

 

 (以下解析内容の解説)

頑張って続けて、果たして効果があるのか心配になる保護者の方もいらっしゃるかと思います。

 

効果を実感し、続けるモチベーションにしていただけるよう、受診ごとに解析結果をお渡ししています。


近視抑制治療の適応範囲

 

※あくまで目安になります。詳しくは検査を行い、適切な治療をご提案いたします。


当院では2019年から、近視抑制治療に取り組んでおります。

その間にも次々と新しい治療法が確立されてきました。

 

これからも安全性や治療効果を検討し、良いものは取り入れ、患者様に提供できる体制を整えて参ります。

 

経験豊富な医師とスタッフよりご説明させていただきますので気軽に受診ください。